相馬野馬追(そうまののまおい)では、騎馬武者たちが甲冑(かっちゅう)を着て出陣します。この甲冑、実際にはどれくらいの重さなのでしょうか?
甲冑の重さ
甲冑の重さは装備によって異なりますが、平均的には13~15kg程度です。現代の登山用バックパックの重さをイメージすると、甲冑がいかに重いかが分かるでしょう。一部の甲冑はこれよりも重いものもあります。
甲冑の主な素材は鉄ですが、革や紙など、軽量化のための工夫も見られます。戦闘の際に機動力を保つために、こうした軽い素材が活用されることもありました。
なぜ野馬追で甲冑を着るのか?
野馬追は、相馬地方の繁栄と安寧を祈る神事であると同時に、侍たちが武芸を鍛える場でもありました。
侍は武芸の専門家であり、甲冑を着て武器を持ち、自分の技で人々を守る役目を担っていました。野馬追ではその伝統を守るため、騎馬武者たちは甲冑を着て、武芸の技を披露します。この甲冑姿は、相馬地方の歴史と文化を象徴するものでもあります。
法螺貝の役割
法螺貝(ほらがい)は、野馬追の行事で重要な役割を果たす道具の一つです。この貝の大きな音は、さまざまな場面で合図として使用されます。
- 式典の開始を知らせる
法螺貝の音が鳴り響くと、式典の始まりを告げます。その荘厳な音は、参加者や観客の心を引き締める効果があります。 - 行列の進行を整える
法螺貝の吹き方によって、行列が動き出すタイミングや進行のペースが指示されます。 - 祭場への到着を知らせる
祭場に到着した際にも法螺貝が吹かれ、その音が到着を周囲に伝えます。
法螺貝の吹き方にはさまざまなパターンがあり、それぞれの意味を知ると、野馬追の行列をより深く楽しむことができます。
陣羽織の特徴と機能
陣羽織(じんばおり)は、その名の通り、戦いの陣中で着用される着物です。野馬追では、甲冑の代わりに陣羽織を着る武者もいます。この着物には、戦いに特化した工夫が随所に見られます。
- 背中の切れ込み
背中に深い切れ込みが入っており、馬にまたがる際に動きを妨げません。また、腰に刀を差しても刀の鞘が邪魔にならないように作られています。 - 袖がないデザイン
袖がないため、素早く着ることができ、甲冑の上から羽織ることも可能です。この機能性が、陣羽織を戦場で活躍する武士たちの必需品にしています。